サーベイの概要と調査対象

日本銀行金融市場局は2026年10月9日、第17回目となる「東京短期金融市場サーベイ」の結果を公表した。調査基準時点は2026年7月末で、日本銀行のオペレーション対象先および短期金融市場の主要な参加者を対象に実施され、調査対象先は381先、回答率は100%だった。前回(2025年8月)の調査対象先数は383先であり、今回の方が2先少ない。 [1]

短期金融市場の取引残高(2026年7月末時点)は、資金調達残高が前年から減少した一方、資金運用残高は前年から増加した。資金調達サイドでは、残高の大宗を占めるレポ取引の残高が横ばいとなるもとで、日本銀行による貸出増加支援資金供給の残高減少に伴って対日銀取引が減少したことから、前年比減少となった。資金運用サイドでは、レポ取引の残高が横ばいとなるもとで、無担保コール取引などが増加したことから、前年比増加となった。 [1]

市場機能度とレポ市場の動向

短期金融市場の機能度(2026年7月末時点)の水準については、「高い」との回答の割合が「低い」との回答の割合を上回ったほか、前年対比では「高い」超幅が拡大した。内訳をみると、国債レポでは、日本銀行による国債買入れの減額の進捗や国債補完供給に係る減額措置の実施に伴い、レポ市場における国債需給が緩和するもと、意図した規模・レートによる取引ができているとの指摘がみられるなど、「高い」超幅が拡大した。一方、有担保コールについては、金利上昇を受けて市場価格の下落により担保として不適格となる銘柄が増加し、取引が実施しにくくなったとの指摘がみられるもと、「高い」超幅が縮小した。 [1]

GCレポ取引の残高は前年から減少した。資金調達(債券運用)サイドでは、日本銀行による国債買入れの減額の進捗や貸出増加支援資金供給の残高減少に伴う担保需要の後退などを受けて債券需給が緩和するもと、GCレポレートが高止まり、補完当座預金制度の適用金利との裁定取引で得られる利鞘が縮小したことなどから、都銀等で減少した。SCレポ取引の残高は前年から増加し、債券運用(資金調達)サイド、債券調達(資金運用)サイドともに短資・証金を中心に増加した。 [1]

無担保コール取引とターム物の動意

無担保コール市場の取引残高は前年から増加した。資金調達サイドでは、補完当座預金制度の対象先による付利金利との裁定目的での取引ニーズが引き続きみられるほか、資金調達手段の多様化などを意識した取引がみられるもと、都銀等や地銀・地銀Ⅱ、その他の業態を中心に前年対比で増加した。資金運用サイドでは、信託が主要な資金運用主体としてこうした取引ニーズに応需し、前年対比で増加した。 [1]

ターム物の取引については、無担保コール取引全体に占める残高は翌日物に比べると少ないものの、証券において株高を受けて株式取引に係る在庫ポジションが拡大するもと、ターム物の調達を増やしているとの指摘が聞かれたほか、地銀・地銀Ⅱにおいても流動性指標の改善を目的とした調達が一部行われているとの指摘が聞かれるなど、動意がみられた。無担保コール取引(O/N物)の約定レートについて、短資経由取引に基づき作成・公表されているTONAは付利金利を幾分下回る水準で維持され、今回調査でもDD取引を含むO/N物での取引全体の約定レート(加重平均値)はTONAと大きな差異はみられなかった。 [1]